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トレーダーの意識も考えよう

トレーダーの意識も考えよう
なかなかいい質問ですね。
自分のトレードを身につける方法というのは、すごく難しいことで、やり方も決まった方法は無く、人それぞれだと思いますが、
参考として、私がトレード方法を身につけてトレードルールを守ってトレードし続けるようになった経緯について少しお話したいと思います。

トレーダーの意識も考えよう

株式市場において,ファイナンス理論に基づき算出されたFV(Fundamental Value)と言われる公正価値と乖離した株価で取引が行われることが多くある. トレーダーの意識も考えよう 本来は,株式市場の取引において,買い手も売り手もFVを意識すれば,FVと大きく乖離した株価で,取引は行われないと考えられる. FVとは,割高,割安の判断基準となる投資指標である.投資する対象の将来の収益予想を行い将来の収益を現在価値に引き直したうえで,現在の株価と比較する分析方法である. 投資を行う上での基礎となる考え方である.

Shiller(2000)は, 投機バブルとは,価値に関する真正かつ根本的な情報とは関係なく,投資家の購入行動に基づいた持続不可能な株価上昇と記している. いずれの研究も,バブルが起こる理由は,市場で売買を行う投資家の心理状況が密接に影響していることを示唆している.そこで,株式市場における取引の存在感が大きく株価変動に大きな影響を与えている機関投資家に着目した.機関投資家という組織の中で実際に株式売買を行うのは, トレーダーやファンドマネジャーと言われる実際に市場で株式売買を行う職種の人物であることが分かった(本論文においては,機関投資家に勤務して実際に株式売買を行う人をトレーダーと定義し論じるものとする).そこで,それらの職種の人に心理に影響を与えると考えられる労働条件について調査した. そこから, トレーダーの心理状況に大きな影響を与える要因の一つとして社内の人事評価にあるのではないかと考察した.社内の人事評価がトレーダーの心理に過度なプレッシャーや行き過ぎた成果を達成しようとする意欲が取引価格に影響を与えることを検証しようと考えた.

実際に調査すると機関投資家に勤務しているトレーダーの評価期間は, 数か月間から1年程度と非常に短いことが分かった.トレーダーの人事評価は3か月毎, 6か月毎, 1年毎など企業の決算期間と合わせて期間の収益目標の達成具合により行われていることが分かった. FVの将来における価値が実際に評価され株価に反映されるのと同じように人事評価が5年間, 10年間のように長期間の評価になることは全く無いようである. 多くの機関投資家に勤務するトレーダーは, 6か月毎というボーナス査定と12か月毎の昇進・降格等の人事評価が行われているようである. その短期間の中で同僚, 同期と先輩, 後輩と競争し勝ち続けることが求められている. その短期間の成果が人事評価, ボーナス査定に大きく影響を与えている.

この評価体系の中で注目したのは, 短期間でのノルマ(必達予算)達成の有無による評価制度がプレッシャーとなりトレーダーの取引心理に与える影響である. ノルマ達成に対する報酬(インセンティブ), 人事評価(順位づけ)が行われ, 特に金融業界の中でもノルマが厳しくインセンティブ報酬比率が高いと言われている株式売買を専門に行うトレーダーの投資判断にこの人事評価制度が影響を与えているのではないかと考察した. ノルマを達成すべく重圧なプレッシャーや過度な評価達成意欲が短期間で成果を出すために割高な投資対象を更に割高な価格で購入することもあるのではないかと推察した. このようにノルマがFVを無視するような取引を助長する因子となりうるという仮説を立てることが可能である.

そこで, 機関投資家に勤務するトレーダーにヒアリングを行いノルマの有無と評価制度について事実関係を確認した.さらに, 学術的な知見より先行研究を調査したところ, 竹田(2014)にて機関投資家による市場を想定した実験では, 成績によるランク付けや成績によるボーナス報酬の付与などの環境設定を行った場合にFVと大きく乖離して取引が行われることがあることが記されていた. ヒアリングした事実と先行研究を整理して, 実際に現場で働く機関投資家に勤務するトレーダーへアンケート調査を行い実験で得られたデータについて検証を行い, 就労条件の影響がトレーダーの取引価格に与える影響の背景について明らかにした.

具体的には, 機関投資家に勤務するトレーダーにノルマの有無,FVを意識しているのか,ノルマ達成のためにFVを無視した取引を行うことがあるのかなどを問う.ノルマ有りの被験者グループと無しの被験者グループに分けてそれぞれ平均を算出し, 検定を行い有意差について検証した.さらにノルマの有無による有意差のある質問項目を抽出し, 具体的にどのような場面でFVを無視した取引行動を行うのか明らかにして回帰分析を行った.アンケートから社内の評価制度が,トレーダーの取引心理に影響を与えているかについて検証を行った.

広田(2006)では,実験により過去の株価のパターンからFVと乖離して取引を行い価格の非合理的な形成が示されていた. 伝統的なファイナンスの世界においては, 株価は, 将来の割引現在価値によって形成されると考えられてきたが, 現実には, 投資家はFVではなく過去の株価パターンを参考にして株価を決定しているため,FVと実際の価格が乖離する現象「株価のひとり歩き」が起こると論じられていた. すなわち投資家は, FVを意識しないで投資を行なう場合があると示されている.

さらに, 広田(2007)は, 短期の売買では,FVに基づく投資判断が無意味になることもあることが論じられていた. 投資期間の長短において,投資家のファンダメンタル情報の有無が,収益に影響を与えるかについて,検証されていた.投資期間が短期である場合には,ファンダメンタル情報が投資家に告げられた場合でも,収益の優位性はなかった.投資期間が長期の場合には,ファンダメンタル情報が投資家に告げられていた方が,収益の優位性があった.短期の投資市場においては,ファンダメンタル情報が影響しないため,FVに基づく投資判断は,無意味となる場合もあると示されている.

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