テクニカル指標

原資産の定義

原資産の定義
総資産とは資産合計(前項の図表参照)のことであり、負債・資本合計「総資本」に対する呼び方です。

マクニカ、SMSを悪用したフィッシング詐欺「スミッシング」の手口と対策を公開

半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス・ソリューションプロバイダーの株式会社マクニカ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:原 一将、以下マクニカ)は、携帯電話のショートメッセージサービス(Short Message Service、以下SMS)を悪用したフィッシング詐欺である「スミッシング」の手口と対策をまとめたレポート「スミッシングの実態と対策」を公開いたします。

スミッシングは、フィッシング(Phishing)行為の一種であり、SMS Phishingから生まれた造語です。SMSを悪用して詐欺目的のメッセージを送り、受信者を偽のWEBサイトに誘導、個人情報を盗み取る手口です。狙われるのは主に、銀行、ECサイトのアカウント情報、電子決済やクレジットカード利用に関わる情報などです。
特に昨年はクレジットカードの番号盗用による被害が年間300億円(*1)を超えるなど、経済被害が拡大しており、スミッシング対策は喫緊の重要課題と言えます。しかし、従来のIT資産を守るためのサイバーセキュリティ対策とは違う知識・理解が必要なため、各企業が対策に苦慮しているのが実情です。


【レポートのハイライト】
■攻撃者の変化、犯罪の裾野の広がり
スミッシングの背後には様々な攻撃者(詐欺師、フィッシャー)がいると推定できます。黎明期からある銀行系スミッシングは、対象となる銀行や地域の狙い方、認証を突破して不正出金する手口などに、知識・オペレーションレベルの高さ・組織性が見られました。また、スミッシングの手口傾向から、複数の集団がいると推定されていました。 最近はEC系、宅配系を中心に、クレジットカードや電子決済のための情報を狙うものが増えています。スミッシングの総量が増えていますが、同時に「偽サイトのブランドと、SMS文面のブランドが一致しない」「SMS文面の日本語が不自然 」といったスミッシングが散見されるようになりました。過去から活動している攻撃者と比べて、オペレーションレベルの低い人々が参入するようになってきたことや、分業化が起こっていることが推測されます。(図1)

■目次
・はじめに
・スミッシングについて
・スミッシングをとりまく被害動向
・スミッシングの手順
・フィッシング行為におけるSMSの役割と特徴
・SMS配信経路とスミッシングの送信手口
・スミッシング配信経路の識別
・スミッシングの傾向と技術考察
・攻撃者の変化、犯罪の裾野の広がり
・スミッシング犯罪のエコシステム
・対策アプローチ

■関連セミナー
マクニカでは他にも攻撃や脆弱性、サイバーセキュリティに関する情報提供を積極的に行っています。
7月28日、29日、8月1日、2日にて、DXとサイバーセキュリティの両輪で実践的ヒントを学ぶカンファレンス「Macnica techNowledge Daye 2022(マクニカ テクナレッジデイズ 2022)」を開催します。
参加申し込み方法・開催内容はWebサイトをご覧ください。
リンク

■自社サービスの不正利用からユーザーとブランドを守るには
ヤフー株式会社 コマースインフラ本部 安全対策部 部長
藤田 智子 氏

フィッシング詐欺ハンター
にゃん☆たく 氏

フィッシング対策協議会 副運営委員長
Japan Digital Design, Inc. Technology & Development Div. Head of TDD
唐沢 勇輔 氏

■サイバーセキュリティ界のビッグボスDave DeWaltが描く未来
「Future Fusion/Cyber+」とは
NightDragon 原資産の定義
Founder and Managing Director
Dave DeWalt(デイブ デウォルト)氏

■アフターコロナ時代におけるサイバーセキュリティ
~サプライチェーンリスクとライフサイクルセキュリティ~
国立研究開発法人 情報通信研究機構 主席研究員
伊東 寛 氏

【株式会社マクニカについて】
マクニカは、1972 年の設立以来、最先端の半導体、電子デバイス、ネットワーク、サイバーセキュリティ商品に技術的付加価値を加えて提供してきました。従来からの強みであるグローバルにおける最先端テクノロジーのソーシング力と技術企画力をベースに、AI/IoT、自動運転、ロボットなどの分野で新たなビジネスを展開しています。「Co.Tomorrowing」をスローガンに、最先端のテクノロジーとマクニカが持つインテリジェンスをつなぎ、ユニークなサービス・ソリューションを提供する存在として、社会的価値を生み出し未来社会の発展へ貢献していきます。当社は、横浜に本社を構え、世界24ヶ国80拠点をベースにグローバルなビジネスを展開しています。詳細はWebサイトリンクをご覧ください。

<本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先>
株式会社マクニカ リンク
コーポレートマーケティング統括部 広報室 宮原、磯崎 e-Mail:[email protected]
〒222-8561 横浜市港北区新横浜1-6-3 マクニカ第1ビル

純資産と総資産の違いとは?内訳やポイントをわかりやすく解説

純資産と総資産の違いとは? 内訳やポイントを わかりやすく解説

総資産とは資産合計(前項の図表参照)のことであり、負債・資本合計「総資本」に対する呼び方です。

  • 現金及び預金、市場性のある有価証券で、一時的所有のもの。
  • 営業活動により発生する受取手形、売掛金、商品、原材料など。
  • 1年以内に現金預金になる再建や費用となるもの。
    (建物、構築物、機械及び装置、土地、建物など) (ソフトウエア、商標権、特許権など)
  • その他投資等(有価証券、保証金、保険積立金など)

総資産と純資産の違い

前述したように総資産は資産合計であり、貸借対照表上は左側「会社の資金の運用」を表しています。
純資産は前述したように、貸借対照表上では右側「資金の調達」を表しています。

総資産・純資産で見るべきポイント

自己資本比率

この比率が高いほど自己資本が充実し借金への依存度が低く、経営が安定しているとみなされます。

100%を超えていると負債が自己資本を上回っていることになり、借金への依存度が高いことを意味します。

自己資本でまかなっていれば返済する必要がなく、資金繰りのリスクが少ないということになります。

固定長期適合率

バランスが大事

前述したとおり、自己資本比率が高いほど(つまり純資産が多い)会社は安定しているとみなされますが、すべて会社の運転資金を全て自己資本でまかなうことは現実的ではありません。
他人資本(負債)もまた、必要不可欠でしょう。
大事なのは資産・負債・資本の数字と意味を正確に把握し、適正なバランスを取りながら健全な経営を目指すことです。

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よくある質問

純資産とは?

総資産とは?

総資産と純資産の違いは?

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「老後2000万問題」ならぬ「老後3000万問題」だった!?人生100年時代に不安を感じる人が9割!

一方で「資産形成をしている」と答えた人は7割。自分なりのライフプランを持っている人も半数以上という結果に。

  • 調査トピックス

【2】実は「老後3000万円問題」だった!?「老後2000万円では足りないと思う人」8割!そして老後に備えて資産形成を行なっている人も7割超え!
■ そして半数以上が自分なりの資産形成プランを持っていると回答
■ そのうち3人に2人が「20代・30代」という結果に
■ 実は老後、2000万円では足りないと思っている人が8割以上もいた!
■ 高所得者層に比べ、低所得者層は「老後のための資産形成」に危機感があるが、実際資産形成をしているのは半数

【3】コロナ禍(2020.4~)原資産の定義 以降、老後の資産形成と向き合う人が増えている!日本人のお金への意識が高まる
■ コロナ禍以降、7割が資産形成への意識が高まっている
■ コロナ禍以降資産形成への意識が高まるものの、その中でも「実際に行動に移せていない」が6割

  • ​​本調査において設定した定義

「人生100年時代」とは、単に「寿命が伸びること」だけを表しているのではなく「働き方、ライフイベントのタイミングを選び取っていくことが必要になる」という意味があります。
従来のライフプランでは「学ぶ・働く・引退する」という3つのステージが基本的な形でしたが、人生を100年という単位でとらえたとき、この基本が変化していきます。
今後は単純なライフステージの進み方ではなく、ステージを組み替えながら柔軟な生き方を模索し、構築することを求められるようになります。

  • 調査結果


■ 不安の原因、トップは「お金(収入・貯蓄・資産形成)」
「人生100年時代に不安がある」と回答した人に対し、「人生100年時代において何が不安か」聞いてみたところ、1位:「お金(収入・貯蓄・資産形成)」(91.4%)、2位:「健康・病気」(87.9%)、3位:「仕事・キャリア」(74.5%)という結果に。
「健康・病気」に比べ、「お金」に不安を感じる人が若干多いことがわかりました。お金がなければ病気になれないという不安、つまりお金があれば病気になっても大丈夫だという考え方が見えてきます。
このことから、健康維持のためにはお金が必要不可欠であり、「お金」と「健康・病気」は密接に関係していると言えます。


■ お金の不安の中で最も不安なもの、ダントツ1位は「老後の生活資金・年金」
「お金(収入・貯蓄・資産形成)について不安がある」と回答した人に「最も不安なもの」を尋ねたところ、1位は「老後の生活資金・年金」という回答が約4割(43.4%)を占め、2位の「収入が増えないこと」の約2割(15.8%)と27.6ポイントの差がありました。
「貯金ができない」「収入が増えない」などの近視眼的な悩みよりも、「老後の生活資金・年金」への不安の方が大きく出ており、老後不安に対する課題の深刻さが伺えます。

■ その中でも6割が女性という結果に。
そして「老後の生活資金・年金」と回答した人のうち、約6割(58.6%)が女性であり、男性に比べ女性の方が老後の生活について不安を感じていることがわかりました。

【2】実は「老後3000万円問題」だった!?「老後2000万円では足りないと思う人」8割!そして老後に備えて資産形成を行なっている人も7割超え!
夫65歳以上・妻60歳以上の高齢夫婦世帯において、毎月5.5万円の不足分が生じ、20年間で約1300万円、30年間で約2000万円の取り崩しが必要になると言われている「老後2000万円問題」。

■ そして半数以上が自分なりの資産形成プランを持っていると回答


■ 原資産の定義 そのうち3人に2人が「20代・30代」という結果に
そして「自分なりの資産形成プランを持っている」と回答した人の中でも年代差があり、「40代・50代」に比べ「20代・30代」が約6割(58.3%)を占める結果となりました。
この結果から、若い世代ほど「年金問題が深刻化している」「企業の退職金額が年々減少している」などの理由から、自己防衛の意識が高まっていることが伺えます。

■ 実は老後、2000万円では足りないと思っている人が8割以上もいた!
「老後(65~100歳)に必要な資金の総額」を尋ねたところ、8割(80.9%)は2000万円では足りないと考えていることが判明。「2000万円〜3000万円未満」と回答した人を除いても、2人に1人は老後3000万円以上必要と考えていることがわかりました。
「年々寿命が伸びていること」「年金問題」「物価上昇」などの理由から、日本の現状から算出された2,000万円では足りないのでは、という不安が、この結果を招いたと示唆されます。
それと同時に、引退後、2,000万円以内で切り詰めていくのではなく、余生を楽しみ、そして次世代に遺産を残したいという思いも伺えます。
そして「余生を楽しみ、次世代に遺産を残す」ためには、ほとんどの世帯で資産形成が必要不可欠になることが予想されます。


■ 高所得者層に比べ、低所得者層は「老後のための資産形成」に危機感があるが、実際資産形成をしているのは半数

【3】コロナ禍(2020.4~)以降、老後の資産形成と向き合う人が増えている!日本人のお金への意識が高まる
■ コロナ禍以降、7割が資産形成への意識が高まっている
「コロナ禍以降、資産形成への関心度はどのように変化したか」という問いに対し、「関心度が高まった」のは約7割(67.0%)でした。コロナ禍で在宅時間が急増し、資産形成について考える機会が増えたことがわかります。


■コロナ禍以降資産形成への意識が高まるものの、その中でも「実際に行動に移せていない」人が6割
しかし、「関心度が高まった」中でも、3人に2人(59.3%)は「コロナ禍以降、実際に投資などの行動に移せていない」ことがわかりました。
関心度は高まるものの「何から手をつければいいのかわからない」、「そもそも資産形成がわからない」ために行動に移せていない人が多いと予想できます。

  • お金の相談プラットフォーム「マネーキャリア」

<企業概要>
株式会社Wizleap
【代表取締役】谷川昌平
【所在地】〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-7-5 青山セブンハイツ606号室
【お問い合わせ】株式会社Wizleap 広報部
E-MAIL:[email protected]

「気候変動×金融」シリーズ 第3回:金融機関に求められる気候関連情報のベストプラクティスの共有

さらに、世界に目を向けると、2021年11月開催のCOP26でネットゼロに対応する世界的な金融機関の有志連合(GFANZ:Glasgow Financial Alliance for NetZero)が正式に発足し、銀行、保険、資産運用会社を中心とした約450機関が、2050年までのネットゼロにコミットするなど、金融機関によるGHG排出量低減に強い責任を持つ姿勢が表明された。加えて国際財務報告基準(IFRS)財団が国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の設立を宣言し、財務会計が非財務情報を取り込む動きも本格化した。

TCFD開示内容の2021年改訂と気候関連財務情報開示の現状

TCFDが2017年6月に発表したTCFD最終報告書とその別冊は、気候関連情報開示のバイブルとして活用されてきた。しかし発行から既に4年が経過し、情報開示を巡る環境が大きく変化したため、2021年10月に「気候関連指標と目標及び移行計画のガイダンス(MTT)」 ※1 などが発表され、開示内容に係る改訂点が提示された。

1点目は、投資家などにとって開示情報が投資判断に有益(decision-useful)であるためには開示情報間の比較可能性を高めることが重要との観点から、業界横断的な気候関連指標を開示すべきとしている点である。今回の改訂でTCFDは「7つの指標」 ※2 と呼ばれる指標を提示し、開示を促している。

2点目は、開示企業は可能であればスコープ3までGHG排出量を開示すべきとしている点である。現在、GHG排出量の開示にはGHGプロトコルという世界標準によって定められたスコープ1、2、3という分類が用いられており、そのうち、スコープ3は、スコープ1、2以外の間接的な排出を対象とするもので、原料調達・物流・販売などバリューチェーン上で生じる、自社の事業活動および自社の事業活動に関連した他社からのGHG排出量と定義される ※3 。バリューチェーン上の他社などのGHG排出量を把握する必要があるため、自社の排出量であるスコープ1、2と比較すると、スコープ3まで開示している企業はいまだ少ない。

表1 GHG排出量の開示範囲の定義

図1 金融機関と事業会社のGHG排出量開示のイメージ

しかし、2022年4月、プライム市場への移行を表明した企業が1,839社におよぶと発表された一方、TCFD賛同社数はこのうち上述の通り870社にとどまり、TCFD賛同社数との差は約1,000社に達する。このことは、企業のTCFD開示対応が後手に回っていることを示唆していると考えられる。例えば、2022年1月に日本取引所グループが発表した「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況」 ※4 をみると、コーポレートガバナンス・コードの補充原則3-1③を遵守(コンプライ)済みと回答した企業はプライム移行予定企業の66.7%にとどまり、同取引所グループが2021年11月に発表した「TCFD提言に沿った情報開示の実態調査」 ※5 では開示済みの259社のうちTCFD開示の11項目全てに対応している企業は42社という結果も示されている。このように、現状、多くのプライム移行企業が、TCFD提言の推奨項目に十分に対応しきれておらず、今後もTCFD開示項目の拡充に取り組む必要に迫られている。

図2 TCFDに賛同する日本企業数の推移

米国の状況を見ると、気候関連情報開示ルールは日本よりも少し踏み込んだ内容となっている。具体的には、2022年3月21日に米国証券取引所(SEC)が「投資家のための気候関連情報開示の強化と標準化」 ※6 と題し、米国市場における気候関連情報開示フレームワーク案を提案した。SEC登録企業はTCFD提言の開示フレームワークに基づく情報を10-Kといった年次報告書などに開示することを実質義務化するだけでなく、GHG排出量に関してはスコープ1および2、必要あればスコープ3までの情報開示を求め、かつ、スコープ1および2については第三者認証の取得を義務付けるなど、世界最大のESG投資市場である米国でも気候関連情報開示が実質義務化される方針が示された。この米国の開示義務化の姿勢は、各国の気候関連情報開示の進展だけでなく情報開示の質の向上にも大きな影響を与えると予想される。

金融排出量算定への要請の高まりとその影響

金融炭素会計パートナーシップ(PCAF) ※7 は、金融機関の投融資から生じるGHG排出量(金融排出量 ※8 )の把握を目的として、金融機関のスコープ3にあたる金融排出量の計算方法とその計算に必要とされる炭素原単位などのデータを提供している。この方法論が上述のTCFD改訂で金融排出量の算出のための標準的計算方法として推奨されたため、世界的に多くの金融機関が同方法を基に金融排出量の計測に取り組みつつある。

金融排出量の算定式

表2 PCAFスタンダードにおけるGHG排出量の計算方法

財務会計と気候関連情報開示の接近

財務会計でも気候関連情報を含めたサステナビリティ情報を本格的に財務情報開示に織り込む動きが急速に進んでいる。IFRS財団は2021年11月3日、COP26の会場でISSBの正式な設立を公表し、技術的準備ワーキング・グループ(TRWG)が作成した4つの文書を公表した。そのうち3つはサステナビリティ基準に関する文書であり、一般要件プロトタイプ、気候関連開示プロトタイプおよび同補足資料と呼ばれ、開示の範囲、概念および開示内容詳細を定義している。さらに、ISSBは2022年3月末、これらのプロトタイプを基にした3文書を発表し ※9 、2022年7月29日までの市中協議を開始した。ISSBはこの市中協議を踏まえ、2022年中に最終案を発表する予定である。

金融機関に求められる対応

気候変動リスクと機会がさまざまな政策に反映され産業全体に受け入れられるようになったことは喜ばしい。一方で、気候関連情報開示に係るさまざまなイニシアチブが矢継ぎ早に導入され、金融機関、事業会社共に情報開示に関する負担も高まっている点にも配慮する必要がある。2022年4月時点でTCFD開示を実施している国内の地方銀行は99行 ※10 中26行 ※11 であるなど気候関連情報開示の対応に幅がみられるが、その一因として情報開示に必要とされる分析が負担との声も聞く。気候関連情報開示が義務化されつつある方向性を踏まえると、各行で個別対応するよりも、金融機関全体として気候関連の情報開示に取り組むことが有意義であると考える。

学びの場をゼロから考え直す。デジタルハリウッド大学が挑む「バーチャルキャンパス」を追え!【第4回: 学びとは何か編】

杉山知之 / Tomoyuki Sugiyama
1954年東京都生まれ。デジタルハリウッド大学 学長、工学博士。87年よりMITメディア・ラボ客員研究員として3年間活動。90年国際メディア研究財団・主任研究員、93年 日本大学短期大学部専任講師を経て、94年10月 デジタルハリウッド設立。2004年日本初の株式会社立「デジタルハリウッド大学院」を開学。翌年、「デジタルハリウッド大学」を開学し、現在、同大学・大学院・スクールの学長を務めている。2011年9月、上海音楽学院(中国)との 合作学部「デジタルメディア芸術学院」を設立、同学院の初代学院長に就任。XRコンソーシアムアドバイザー、一般社団法人Metaverse Japan理事、超教育協会評議員を務め、また福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議会長、内閣官房知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会委員など多くの委員を歴任。99年度デジタルメディア協会AMDアワード・功労賞受賞。著書に「クール・ジャパン 世界が買いたがる日本」(祥伝社)、「クリエイター・スピリットとは何か?」(電子書籍、ちくまプリマー新書)、『デジタル・ストリーム ― 未来のリ・デザイニング』新装版(電子書籍、‎デジタルハリウッド・パブリッシャーズ)ほか。

読書猿 / Dokushozaru
ブログ「読書猿 Classic: between/beyond readers」主宰。「読書猿」を名乗っているが、幼い頃から読書が大の苦手で、本を読んでも集中が切れるまでに20分かからず、1冊を読み終えるのに5年くらいかかっていた。
自分自身の苦手克服と学びの共有を兼ねて、1997年からインターネットでの発信(メルマガ)を開始。2008年にブログ「読書猿Classic」を開設。ギリシア時代の古典から最新の論文、個人のTwitterの投稿まで、先人たちが残してきたありとあらゆる知を「独学者の道具箱」「語学の道具箱」「探しものの道具箱」などカテゴリごとにまとめ、独自の視点で紹介し、人気を博す。現在も昼間はいち組織人として働きながら、朝夕の通勤時間と土日を利用して独学に励んでいる。『アイデア大全』『問題解決大全』(共にフォレスト出版)はロングセラーとなっており、主婦から学生、学者まで幅広い層から支持を得ている。『独学大全』は3冊目にして著者の真骨頂である「独学」をテーマにした主著。なお、「大全」のタイトルはトマス・アクィナスの『神学大全』(Summa Theologiae)のように、当該分野の知識全体を注釈し、総合的に組織した上で、初学者が学ぶことができる書物となることを願ってつけたもの。Twitter: @kurubushi_rm、プロフィールイラスト:塩川いづみ

学校の「いいところ」「悪いところ」は表裏一体

杉山:
私は40年以上教員を続けているがゆえに、「学校って良いものだよね」と漠然と思ってしまっているところはあります。しかし、学び舎たる学校が果たしている役割、そして学校でなければならないことをまだ突き詰められていないとも考えています。

今はコンピュータがあり、私たちはソフトウェアによって作り出されたものを、空間や生活の場と同じように認識できるところまで来ている。通常のリアルな空間では作り出すことが難しいような、変幻自在の人工環境を作れる時代です。では、そもそも「学びに適した人工環境」とは何か。学びたくて来た人に、学校が与えられるプラスの意味とは何なのか。そして、もっと学びたくなるようにするにはどうしたらいいのか——といったことをさらに考えたいのです。これらをぐるっと含めて、人工環境として理想的な学び舎が作れるとしたら、読書猿さんはどこにポイントがあると考えるのかを知りたいです。

読書猿: 原資産の定義
最初に正直なことを言うと、僕は学校があまり得意ではないんです(笑)。 なので「仕方なく」独学していた側面は多分にありますね。一方で、独学を続ける中で学校のすごさを思い知りました。周りに誰かがいて、一緒に色んなことを学べる環境が制度的にも物質的にも作られている。これは凄まじく工夫され、積み上げられてきたものだと思うのですが、同時にこの工夫は僕が「学校って苦手だなあ」と思わされた部分でもあります。

しかし「いろんな人が一同に会して何かをする」というのは学校における大きなポイントです。当たり前ですが、僕みたいに何日でも同じことを続けられるし続けていたいという人と、そうでない人がいます。そうすると学ぶうえで必要な注意が途切れないように、でも適度に打ち切れるような形で授業の時間が決まっていく。授業にも様々なやり方があると思いますが、なんだかんだで時代の淘汰をくぐり抜けて生き残ってきたやりかたなんです。僕は、これがベストだとは思いませんが、注意力の続かなさのような、人間の弱点をカバーするしくみとして、学校って思っていたよりもずっと作り込まれていると思うんです。ただし、学校にいた僕が苦手だと思っていた部分は、この「よくできた学校のしくみ」と表裏一体なんですよね。だから難しい。

しかし、先ほど杉山先生が言われたような、物質的なレイヤーのうえにコンピュータでいろいろなものを実装できるとなれば、一人一人の認知特性に合わせた環境を作れるようになる。まだまだ研究開発が必要な箇所はたくさんあると思います。でも、もしかすると僕が苦手だったところをうまくケアできるような、それぞれの人にフィットするような学校のあり方は可能かもしれない。たとえば先生は一人だけど、生徒が見聞きしている環境や状態が全部違う、といったあり方の可能性は探っていくと面白いと思うんです。ここはまさにこれから模索する、あるいは今、杉山先生のような方々によって模索されつつあるのかな、と。


(読書猿氏による『独学大全』。独りで学ぶためのあらゆるメソッドを集約・分類・整理した、788ページの大著だ)

学ぶ=「知のネットワークに入っていくこと」

読書猿:
「学校」というテーマからは少し脱線してしまいますが、「学ぶとは何か」という問いについての僕なりの回答は、「知のネットワークの中に入っていく」ことだと思っています。例えば『独学大全』の著者は僕ですが、あの中で紹介した技法のほとんどは、それから説明に使った概念やアイデア、もちろん「日本語」や「文字」だって僕が自分で開発したものじゃない。いろんな人達が書き残したもの、その人たちもまた別の誰かから学んで来たものを集めた本です。そこには先代、先々代……という知的営為の積み重ねがあり、そのネットワークや流れ、あるいは歴史に参加することが、学ぶことなのだと。

一般的には「何かを自分の脳に入れる(インプットする)こと」が学習だと思われていますが、そうではなく、むしろ自分の方が知のネットワークに入っていく(参加していく)ことこそ、学びなのだと思います。「インプットする」、「頭の中に入れる」と言うと記憶や暗記をすればいいということになりますが、それは知識を「モノ」として扱ってしまっている。「書かれたモノ=知識」というイメージが強固にあるせいか、倉庫に入れたり積み上げたりするような感覚で知識を「モノ」として扱って、知識が「所有」できるなんて勘違いしてしまう。でも人間が学んだり知ったりすることは脳に何かを積み上げていくのではなく、脳のネットワークを組み替えるようなものなんです。だからこそ何かを知れば、ものの見方や考え方が変わってしまう。知識は「モノ」ではなく「コト」です。

これは「独学」は「孤学」ではないという話につながります。独学とは一人で知識を「モノ」として取り込む行為ではなくて、たとえ一人で本を読んでいても、その書物や読むことを介して、誰かと繋がり合っていくようなイメージとして、僕は捉えています。だって一冊の書物がこの手に届いたそのことが、たくさんの知的営為がこの世界に途切れずつながってきた証拠じゃないですか。ひとつの知識の中にも扉がたくさんあって、その扉を開けるとまた無数の扉が……とずっと続いていく。これが学ぶことのイメージです。そう考えると、こうした学びが行える環境を、自分の中や周囲の外部足場として作ることそれ自体も、学びの不可欠な一部だよ、という話を誰も書いてくれないから『独学大全』があんなに分厚くなってしまったんですが(笑)。

杉山:
大変よくわかります(笑)

「励ます人」「支える人」としての教師

杉山:
そしてこれは「点から線、線から面」という話でもあるわけですよね。デジタルハリウッドに来る学生はそもそも自由な人が多く、自分がやりたいことをなんとか上手くできるようになりたい、という人が多いんですね。最初は点で入ってくるけれど、好奇心が強い人が多くて、いずれどんどん線、そして面へと広がっていくんです。

読書猿:
また少し脱線気味になるのですが、明治期に活躍したジャーナリストの宮武外骨のお兄さんで、宮武南海という人物がいます。彼は明治18年というかなり早い時期に、印刷業と同時に並行して学校を作ってしまうんですね。学校には毎年新しい学生が入ってきて、自分の会社で印刷した教科書を買ってくれるから。完全にビジネスからの発想なんです。しかも最初から「独習コース」、独学のためのコースがあった。学びたくても遠方に住んでいたり、仕事があったり通えない人がいる。そういう人たちに向けた通信教育を受けるコースがあれば、南海が作って印刷した教科書を通学生以外にも更に売ることができるという(笑)。 こうしてリモートな学習環境を作り上げてしまった。当時、全国はおろか東京ですら「大学」の数は限られています。後に「早稲田講義録」として名を上げることとなる東京専門学校(早稲田大学の前身)の通信教育が始まったのが明治19年ですから、先駆的な試みだし、目の付け所がすごい。

おまけに南海も筆が立つので、毎号毎号、パンフレットを発刊するたびに独学者の人たちを励ます、激励する文章を書いていた。「独習」という言葉や自分の書いた文章を通して、学校には行かない、あるいは行けないけど学びたい、という人たちを、制度的にだけでなく、心理的にも支えていた。その結果、南海の印刷&学校という事業は大きく伸び、南海は紳士録に載るくらい経済的に成功しました。

杉山:
デジタルハリウッドでは卒業制作という形でアウトプットを出すことが必要になるのですが、毎年学生が大変そうにしているんですね。教える人は、その苦しみを励ます、支える、助ける——もちろん最後はその学生自身が自分のものにしなくてはいけないのですが——ということを行っている側面がある、とも言えますね。

誰が、知の山の、どこを担うのか

読書猿:
大学ってなんだろう、という話もありますよね。いわゆるユニバーシティ(University)の起原たる中世の大学は元々、学びたい人が集まったギルドでした。同じ職業や志向を持った人が、親方と弟子という徒弟制的な関係のもとに集団を形成し協力する。そうして領主や王、つまり権力者から「このギルドに関してはお前たちに任せる」という自由、自治の許可を取ってくる。このギルドを学びたい人、学習者たちが行ったのが大学のスタートで。修士課程がマスター(Master)なのはマイスター(Meister)、ドイツ語の「親方」なわけですね。

同時に、「大学だけでいいのか?」という問いは20世紀から21世紀にかけて問われ続けています。そして今の日本の大学が、ギルド的共同体として動けているのかというと……大変ですよね。これまで培ってきた知的な資産が人と制度の双方で存在していて、それでなんとか持ちこたえている、といった構図だと思います。

杉山:
まさしくその通りだと思っています。そして、われわれデジタルハリウッド大学みたいなところは、研究者を作るのかというと、作ってないわけですね。たまに放っておいてもなる人もいますけど(笑)教員には研究者と実務家が半分ずつくらいです。

今の大学の研究はとても複雑で難しいものになっている。人類がこれまで積み上げてきた知にさらなる知を積み上げ続けているわけですから、自然と最前線で研究ができる人というのはごくごく少数に限られてしまいます。そこまで辿り着けるのは、日本トップレベルの大学でもごく一部の人だけでしょう。こうしたピラミッド的な構造が生まれるのは避けられないとしても、どの部分を担ってゆくかという話になる。そして、われわれが担うのは、それらに基づいて「最前線の研究者たちが到達した高みについて、みんなに『ここまで来たんだ』と、さまざまな表現を通して分かってもらう」ことなのだと思います。

「水を運ぶ者」と、学校と世界の100年のギャップを埋めること

読書猿:
僕はサッカーが好きなんですが、「水を運ぶ者」という言葉があります。これは日本代表の監督も務めたイビチャ・オシムさんの言葉です。彼は哲学者みたいな人で、非常に詩的で美しい表現をするんですね。


(イビチャ・オシム氏。2006年から2007年にかけて日本代表監督を務めた。写真は1999年のSKシュトゥルム・グラーツの監督を務めていたころのもの、ウィキメディア・コモンズによる。クレジット:Radiofabrik Community Media Association Salzburg)

読書猿:
これは「サッカーは、シュートをする人だけでは成り立たない」ということです。サッカーではひとつしかないボールをパスして運んだり、ルーズボールを拾ったりする人がいる。そして相手チームの選手をブロックしたり、空いたピッチ上のスペースを埋めて相手の自由を制限する役割もある。こんな風にボールに直接触れない間も走り回って、試合を動かしている人たちがいる。そうした貢献が積み重なって、初めてシュートをする人が点を取れる。そういった人々に光を当てるという意味で、オシムさんは「水を運ぶ者」という言い方をしていたんです。今回の話に置き換えれば、他の人ができないことをして知の最前線を前に進める人がいる一方で、そうした遠くにある知の水源から僕たちのところへ「水」を運ぶたくさんのがいる。脚光が当たることはあまりないけれど、目立たないそうした人たちがいて、人類が行う知的営為は成り立っている。

原資産の定義
(『アイデア大全』。シンプルな発想法だけでなく、科学技術や芸術、文学、哲学、心理療法、宗教、呪術など多くの分野から「新しい考えを生み出す技法」をまとめた著作)

読書猿:
まだ脱線しますが(笑)、「フィロロギー(Philology)」という言葉があります。日本語に訳すと「文献学」「古典文献学」あたりでしょうか。これは「哲学」を意味する「フィロソフィー(Philosophy)」が「知を愛する(Philo-Sophia)」のに対し、「言葉を愛する(Philo-Logos)」という成り立ちの言葉です。これは哲学者キケロの言葉だとされていて、知や学問の根幹に深く関わる言葉だと思うのです。

文献学というのは、基本的にはテキストを様々な努力をして読む、あるいは解釈する学問です。そして、この営みは「自分よりも前に、自分よりも賢い人がいたはずなのだ」という前提に立たないと始まらない。「わけのわからないことが書いてあるから読めないんだ」となったら終わってしまう。「読む価値や意味があるけれど、今の私には読めない」と信じるからこそ、なんとかして読んでやろう、解読しようと努力するわけです。更に言うと「昔の人は科学も進んでないし、愚かなことを信じてたし、今読むに値するものなんて書けっこない」と思ったら、やっぱりダメです。何か価値あるものを書いて残したのだと信じていなければ、古文書の解読やテキストの解釈なんてできないと思うんです。そういう意味でフィロロギー、文献学は本当に「Philo-Logos」なのだと思います。自分よりも前に言葉(ロゴス/Logos)を残した人がいて、それを愛する、そこに賭けることで成立している。

杉山:
いえ、ありがとうございます(笑)大学や学校に対する応援をいただきましたが、改めて考えると、日本の大学は「何を行っているのだろうか?」「社会に対して、どんな役割を、どう持つのか?」という点については、学生から見てもぼんやりしている状態だと思います。

学校というしくみがよくできていたという話も冒頭で出たと思うのですが、おかげさまで——あるいはそのせいで——100年近く基本的なフォーマットが変わっていない。しかしこの100年で世界は変わった。僕たちはそのギャップのようなものを埋めたいと思っています。そこにコンピュータ、テクノロジーがいいところまで来ているから、取り入れていけるところは取り入れていきたい。そして「水を運ぶ者」の話には非常に感銘を受けました。このような概念や考え方を組み込んだうえで、「バーチャルキャンパス」構築の基礎にしていきたいです。

読書猿:
学校という制度は、あまりにうまくできていたと思うんです。そして、それゆえに更新されず停滞してしまった部分はある。では次に行くべき方角が定まっているかというと、そうでもなく、しかし様々な可能性は広がっていると思います。それを探る過程でダメな事例もたくさん出てくると思うのですが、バーチャルでなら多数のバージョンを作れる。試行錯誤がすごくやりやすいはずです。フィジカルな学校は作るのも壊すのも大変ですが(笑)、ダメになるのを厭わずに、多様なことができる。問題に行き当たったとしても、そこから学んで前に進んでいく。そしてそれをコンピュータがフォローしていく、そんな可能性の切り開き方が見たいです。

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